「Feign」は「おバカ人狼」ともいわれる、4人〜12人で遊べる人狼系ゲームだ。
「イノセント(村人陣営)」「インポスター(人狼陣営)」「ニュートラル(第3陣営)」の3つの陣営が存在し、各陣営の勝利条件を満たすために行動および議論をおこなう。
「Feign」の詳細なルールや遊び方は以下の記事で解説している。
この記事では、「イノセント(村人陣営)」で勝率の高い最強の進行論について、実際にプレイした結果も混じえて紹介する。
盤面次第では、ゲーム開始初日で「イノセント(村人陣営)」の勝ちが確定するだろう。
この記事のポイントは以下のとおりだ。
- 「イノセント(村人陣営)」最強の進行方法とは?
- 最強の進行方向の実践事例を紹介
- 最強進行のメリット・デメリット
まず結論からいうと、「Feign」で「イノセント(村人陣営)」にとって最強の進行方向は、初日に全員が自分の役職を一斉に宣言することだ。
全員が役職を全て開示することから、この進行方法を「フルオープン進行」と呼ぶことにする。
「フルオープン進行」の詳細について、次から解説する。
なお、この進行方法は、「Feign」の2022年6月22日アップデート前の情報をもとに作成している。
2022年6月22日アップデートで、以下の3記事に紹介する3役職が新たに追加された。
とくに、新たに追加された「魔術師」の役職は、この進行方法の天敵ともいえるため、「魔術師」がいる場合はこの進行が難しい点には注意いただきたい。
「イノセント(村人陣営)」最強の進行方法とは?
「Feign」の特徴として、プレイヤー全員が役職を持っており、「バカ」を含めて全部で17種類の役職がある。
役職の詳細については、以下の記事で解説している。
「おバカ人狼」である「Feign」のゲーム進行で最も重要なことは、各プレイヤーの役職を把握することだ。
しかし、「インポスター(人狼陣営)」や「ニュートラル(第3陣営)」は、基本的に嘘の役職および行動を証言する。
そして、「イノセント(村人陣営)」も「バカ」の役職があるため、嘘の証言をすることがある。
また、「バカ」以外の「イノセント(村人陣営)」も殺害されることを防ぐため、嘘の証言をすることがある。
たとえば、「イノセント(村人陣営)」の「ドクター」が嘘の証言をするメリットについては、以下の記事で解説している。
そのため、初日に各プレイヤーの役職を正しく把握することは難しく、2日目以降も「バカ」や嘘の証言が混じることから全てを把握できない場合が多い。
各プレイヤーの証言から、正しい役職を推理することが勝利の鍵であり、「Feign」の醍醐味ともいえる。
ただし、各プレイヤーの正しい役職を推理することがとてもカンタンになる最強の進行方法がある。
それが、初日に全員が一斉に役職を宣言する「フルオープン進行」だ。
「Feign」の醍醐味を潰す進行でつまらないと感じる方はいるだろうが、「イノセント(村人陣営)」で最も勝率の高い進行方法だと私は考える。
「フルオープン進行」でやることは以下の2つのみで、初心者でもできるカンタンな内容だ。
- 初日の議論時間で、プレイヤー全員が自分の役職を一斉にチャットで宣言すること
- 「イノセント(村人陣営)」は嘘をいわず、正直に自分の役職を宣言すること
初日にプレイヤー全員が正しい役職を一斉に宣言する状況を作ることが最大の難関だが、嘘の役職を宣言したり、宣言しない人は「インポスター(人狼陣営)」だと主張すれば、不可能ではない。
初日の議論で、この「フルオープン進行」を実行できれば、盤面次第では「イノセント(村人陣営)」が勝利が確定することもある。
最強の進行方法の実践事例
初日に全員が一斉に役職を宣言する「フルオープン進行」。
ここからは、実際に「フルオープン進行」で「Feign」をプレイした実践事例を紹介する。
実践事例1
「フルオープン進行」で、「Feign」を6人でプレイした事例を紹介する。
ゲームの配役設定は、以下のとおりだ。
- イノセント(村人陣営):ランダム3人、バカ1人
- インポスター(人狼陣営):ランダム1人
- ニュートラル(第3陣営):シーフ1人
配役設定は、以下の記事を参考に、「インポスター(人狼陣営)」1人、「シーフ」1人で設定した。
「Feign」では、「イノセント(村人陣営)」を弱体化させるために、確定の「バカ」(俗にいう最低保証バカ)を入れることが多い。
しかし、「フルオープン進行」では、最低保証バカは逆に「イノセント(村人陣営)」が有利になるケースがあるため、「バカ」は1人とした。
上記の配役設定で「フルオープン進行」を実施した結果、初日の各プレイヤーの役職宣言は以下のとおりだ。
プレイヤーはA〜Fの6人で、「イノセント(村人陣営)」は嘘をついていない前提とする。
(「イノセント(村人陣営)」以外は嘘をついている)
プレイヤー | 宣言した役職 |
---|---|
プレイヤーA | ルックアウト |
プレイヤーB | ポリス |
プレイヤーC | ねずみ |
プレイヤーD | ルックアウト |
プレイヤーE | トラッパー |
プレイヤーF | インベスティゲーター |
「フルオープン進行」の場合、初日の上記の役職宣言の時点で、2人の「イノセント(村人陣営)」が確定していることがわかるだろうか?
答えは、プレイヤーAとプレイヤーDの2人の「ルックアウト」が「イノセント(村人陣営)」だ。
なぜなら、今回は確定の「バカ」(最低保証バカ)が1人いるため、どちらかが真の「ルックアウト」で、もう1人は「バカ」となる。
このことから、「フルオープン進行」の場合、最低保証バカは「イノセント(村人陣営)」の有利になる可能性が高い。
2人の「イノセント(村人陣営)」が確定した時点で、このゲームは「イノセント(村人陣営)」の勝利盤面といってもよいだろう。
なぜなら、「ポリス」「ねずみ」インベスティゲーター」は、「ルックアウト」以外をターゲットにして、「トラッパー」は「ルックアウト」の家に罠を仕掛ければ、嘘が高確率でわかるからだ。
その結果、初日の夜に殺害されたプレイヤーはいなかったが、「インポスター(人狼陣営)」が判明したため、「イノセント(村人陣営)」の勝利となった。
「ルックアウト」以外の2日目の議論における証言は、以下のとおりだ。
プレイヤー | 訪問先 | 証言内容 |
---|---|---|
プレイヤーB (ポリス) | E | ・Eを止めた |
プレイヤーC (ねずみ) | E | ・Eが「シーフ」 |
プレイヤーE (トラッパー) | なし | ・「ポリス」に止められた ・自分が「シーフ」と宣言 |
プレイヤーF (インベスティゲーター) | C | Cが「ねずみ」と「ルックアウト」 |
上記証言の段階で、プレイヤーB(ポリス)が「インポスター(人狼陣営)」であることが予想できる。
まず、プレイヤーEとFの証言内容から、プレイヤーCが「イノセント(村人陣営)」の「ねずみ」であると認識された。
なぜなら、プレイヤーCが「ねずみ」であることは2日目の行動で確定しており、プレイヤーFが「イノセント(村人陣営)」の「ねずみ」を証言しているからだ。
レアケースとして、プレイヤーCとFが「インポスター(人狼陣営)」と「シーフ」の可能性はあったが、プレイヤーCの「シーフ」の自白からなくなった。
プレイヤーEは、役職を盗まずに追放されると負けてしまうため、「イノセント(村人陣営)」に味方する(配役を盗む)前提で「シーフ」を宣言して、プレイヤーCの証言が正しいことを証明した。
追放される可能性はあったが、初日に殺害が起きていないことと、盤面が整理できたことから追放はされなかった。
プレイヤーEを「シーフ」と見た場合、プレイヤーCが「イノセント(村人陣営)」であることを証明しているプレイヤーFの行動は、「インポスター(人狼陣営)」としてのメリットがない。
なぜなら、全ての証言を考慮すると、「インポスター(人狼陣営)」の可能性があるのは、プレイヤーBとプレイヤーFのみだからだ。
もしも、プレイヤーFが「インポスター(人狼陣営)」だった場合、プレイヤーBを追放したあと、翌日にプレイヤーFが追放されるため、「インポスター(人狼陣営)」の負けが確定する。
そのため、プレイヤーFが「インポスター(人狼陣営)」の可能性は低いといえる。
プレイヤーFが「インポスター(人狼陣営)」の場合、「インベスティゲーター」でプレイヤーCを見た結果は、「イノセント(村人陣営)」と「インポスター(人狼陣営)」の「ねずみ」だったと証言するのが一番良い。
つまり、全ての証言を考慮すると、プレイヤーBがほぼ「インポスター(人狼陣営)」という結論になる。
実際、プレイヤーBは「インポスター(人狼陣営)」で、「イノセント(村人陣営)」の勝利という結末になった。
実践事例2
次に、「フルオープン進行」で、「Feign」を7人でプレイした事例を紹介する。
ゲームの配役設定は、以下のとおりだ。
- イノセント(村人陣営):ランダム4人、バカ1人
- インポスター(人狼陣営):ランダム2人
配役設定は、「インポスター(人狼陣営)」を2人、「ニュートラル(第3陣営)」は無しで設定した。
上記の配役設定で「フルオープン進行」を実施した結果、初日の各プレイヤーの役職宣言は以下のとおりだ。
プレイヤーはA〜Gの7人で、「イノセント(村人陣営)」は嘘をついていない前提とする。
(「イノセント(村人陣営)」以外は嘘をついている)
プレイヤー | 宣言した役職 |
---|---|
プレイヤーA | ドクター |
プレイヤーB | ドクター |
プレイヤーC | トラッパー |
プレイヤーD | ドクター |
プレイヤーE | ドクター |
プレイヤーF | インベスティゲーター |
プレイヤーG | 挑発者 |
初日の役職宣言で、「ドクター」が4人いるという特殊な状況となった。
この場合、「ドクター」のなかに確実に「バカ」はいるが、「インポスター(人狼陣営)」がいる可能性も十分考えられる。
そのため、「フルオープン進行」での役職宣言から、「インポスター(人狼陣営)」を絞れない状況だ。
しかし、「フルオープン進行」では初日の夜の行動も含めて議論できる。
今回のように「ドクター」が4人いた場合、「ドクター」同士がお互いの家を訪問することで「ドクター」を判別できるという議論ができた。
つまり、プレイヤーAとプレイヤーBがお互いの家に訪問し、プレイヤーDとプレイヤーEもお互いの家に訪問することで、容疑者を絞ることができる。
また、「ドクター」の邪魔をしないように、「トラッパー」は「ドクター」以外の家に訪問するなど、「イノセント(村人陣営)」にメリットのある行動を提案できる。
たとえば、プレイヤーAが殺害され、「ドクター」のプレイヤーBが蘇生していない場合、プレイヤーBは「バカ」もしくは「インポスター(人狼陣営)」となる。
そして、プレイヤーDとプレイヤーEがお互いの家の訪問を確認している場合、DとEの2人はほぼ「イノセント(村人陣営)」であることが判明する。
レアケースとして、プレイヤーDとプレイヤーEが「インポスター(人狼陣営)」の場合も考えられるが、可能性はかなり低いだろう。
今回の場合、初日の夜にプレイヤーBが殺害され、プレイヤーAが蘇生する結果となった。
2日目の議論における証言は、以下のとおりだ。
プレイヤー | 訪問先 | 証言内容 |
---|---|---|
プレイヤーA (ドクター) | B | ・Bを蘇生した ・「ドクター」の訪問無し |
プレイヤーB (ドクター) | A | ・殺害された ・Aに蘇生された |
プレイヤーC (トラッパー) | G | ・罠に誰もかからなかった |
プレイヤーD (ドクター) | E | ・Eを訪問 ・「ドクター」の訪問有り |
プレイヤーE (ドクター) | D | ・Dを訪問 ・「ドクター」の訪問有り |
プレイヤーF (インベスティゲーター) | E | ・Eが「ドクター」と「ルックアウト」 |
プレイヤーG (挑発者) | なし | ・自宅で待機 |
上記証言の段階で、プレイヤーC・F・Gの中に2人の「インポスター(人狼陣営)」がいることが予想できる。
蘇生したプレイヤーAは真の「ドクター」であり、殺害されたプレイヤーBは「インポスター(人狼陣営)」ではない可能性が高い。
プレイヤーAとBの2人が「インポスター(人狼陣営)」のケースも考えられるが、その場合は「インベスティゲーター」を殺害する方がメリットが大きいだろう。
なぜなら、2日目まで「インベスティゲーター」が生存しており、プレイヤーEの「ドクター」を宣言している時点で、プレイヤーDとEの「イノセント(村人陣営)」が確定するからだ。
もしも、プレイヤーDとEの中に「インポスター(人狼陣営)」がいる場合、プレイヤーD・E・Fの証言に矛盾が生じるはずだ。
そのため、初日から「インポスター(人狼陣営)」の容疑者位置であるプレイヤーC・F・Gを追放していく方向で議論が進めた。
さらに、プレイヤーFについては、プレイヤーEの「ドクター」を宣言していることから「イノセント(村人陣営)」の可能性が高いため、プレイヤーCとGから追放していく流れとなった。
結果として、プレイヤーCとGの2人が「インポスター(人狼陣営)」だったため、2人を追放した時点で「イノセント(村人陣営)」の勝利となった。
「インポスター(人狼陣営)」の2人の勝ち筋としては、初日の夜にお互い訪問すると宣言していたプレイヤーAとBの両方を殺害することで、AとBを両方殺害することができた。
しかし、翌日の証言で信用を得ることが難しいため、どちらにしても「インポスター(人狼陣営)」に不利な状況といえるだろう。
最強進行のメリット・デメリット
上記の実践事例から、初日に全員が一斉に役職を宣言する「フルオープン進行」が「イノセント(村人陣営)」にとても有利な進行であることがわかる。
各プレイヤーの配役と初日の配役宣言次第では、「イノセント(村人陣営)」が必勝する盤面となる場合もある。
ここからは、その「フルオープン進行」のメリットとデメリットを紹介する。
「フルオープン進行」のメリットについては、以下のとおりだ。
「フルオープン進行」のデメリットについては、以下のとおりだ。
「イノセント(村人陣営)」で絶対に勝ちたい場合、「フルオープン進行」は最強の進行方法だと考えるが、全プレイヤーに進行方法を実施してもらうことは難しい。
なぜなら、「インポスター(人狼陣営)」は不利な進行には反対を主張するからだ。
「イノセント(村人陣営)」であっても、自由にやりたいプレイヤーは進行方法の押し付けには反対するだろう。
「フルオープン進行」は、全プレイヤーから賛同を得られた場合のみ成立する進行方法といえるだろう。
まとめ
以上、「Feign」で「イノセント(村人陣営)」にとって、最強の進行方法だと考える「フルオープン進行」について解説した。
各プレイヤーの立ち回り次第で「イノセント(村人陣営)」が負けることもあるため、必勝法とまではいえない。
しかし、初日の配役宣言次第で必勝盤面となる可能性もあるため、「イノセント(村人陣営)」にとても有利な進行方法だ。
「フルオープン進行」についてまとめると、以下のとおりだ。
チェックポイント
・初日の議論時間で、プレイヤー全員が自分の役職を一斉にチャットで宣言する
・「イノセント(村人陣営)」は嘘をいわず、正直に自分の役職を宣言する
・宣言した役職から、各プレイヤーの初日の行動を議論できる
・確定の「バカ」がいる場合、「バカ」の役職を見つけやすい
・全プレイヤーが「フルオープン進行」に賛同しないと成立しない
人狼系ゲームでは、必勝法があるか気になる方も多い。
皆さんが「おバカ人狼」の「Feign」をプレイする中で、必勝法になりうるものの1つとして「フルオープン進行」を提案してみるのも一興かもしれない。
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