少人数で短時間で遊べる「ワンナイト人狼」。
嘘が嫌いな方は苦手とするゲームではあるが、論理的な思考を養うには良いゲームだ。
この記事では、ワンナイト人狼を4人でプレイする時の戦略について考察する。
3人プレイ、もしくは5人〜7人プレイでの戦略考察を知りたい方は、以下の記事をご覧いただきたい。
前提条件(4人プレイ時の配役と考察条件の設定)
まず、今回考察するワンナイト人狼(4人プレイ)の前提条件は下記のとおりとする。
- 配役は「占い師」「怪盗」「村人」「人狼」の4種類
- 「人狼」と「村人」は各2枚、他の配役は各1枚、合計6枚で配役を決定する
- 「人狼」以外(「人間」側の配役)は嘘を言わない
- 配役の宣言順序は考慮しない(全員が最終的な配役を認識した状態で考察)
- 「人狼」は議論前に、他の「人狼」がいないか確認できる
- 「占い師」は誰か1人の配役または墓地の配役(使われていない配役)を知ることができる
この前提条件では、配役の組合せは全部で15通り(6C4=15)となる。
具体的には下記15通りの組合せがある。
人狼と村人は2枚あるため、区別するために「人狼1」「人狼2」「村人1」「村人2」とする。
- 「占い師」「怪盗」「人狼1」「人狼2」
- 「占い師」「村人1」「人狼1」「人狼2」
- 「占い師」「村人2」「人狼1」「人狼2」
- 「怪盗」「村人1」「人狼1」「人狼2」
- 「怪盗」「村人2」「人狼1」「人狼2」
- 「村人1」「村人2」「人狼1」「人狼2」
- 「占い師」「怪盗」「村人1」「人狼1」
- 「占い師」「怪盗」「村人2」「人狼1」
- 「占い師」「怪盗」「村人1」「人狼2」
- 「占い師」「怪盗」「村人2」「人狼2」
- 「占い師」「村人1」「村人2」「人狼1」
- 「占い師」「村人1」「村人2」「人狼2」
- 「怪盗」「村人1」「村人2」「人狼1」
- 「怪盗」「村人1」「村人2」「人狼2」
- 「占い師」「怪盗」「村人1」「村人2」
配役の確率としては、次のとおりとなる。
・「人狼」が2人いる確率:40%
・「人狼」が1人いる確率:53.3%
・「人狼」がいない確率:6.7%
そのため、確率的には人狼が1人以上いると想定した方が良いだろう。
今回の前提条件での定石として以下のポイントが挙げられる。
- 「村人」「人狼」ともに最初に自分を「村人」と宣言してはいけない
- 「人狼」は自分を「人狼」と宣言してはいけない
詳細について、それぞれの場合の戦略考察をもとに解説する。
「人狼」が2人いる場合
「人狼」が2人いた場合、「人間」側が不利な条件でスタートする。
なぜなら、人狼の2人は吊りたい人間に投票を合わせることができるからだ。
「人間」側の残り2人が「人狼」の1人に投票を合わせないかぎり、「人狼」側の勝ちとなる。
ただし、「人狼」側はお互いがどの配役を宣言するか考える必要がある。
「人狼」が、自分を「占い師」と嘘をつく場合
「人狼」の1人が「占い師」を宣言するケースが、4人プレイでは最もポピュラーなケースだ。
ただし、「人狼」側が2人いるときは1つ注意することがある。
それは、「人狼」の2人が同時に「占い師」を宣言しないことだ。
「占い師」が2人いると、どちらかが「人狼」とされるため、吊られる確率が高い。
それが互いに「人狼」であれば、「人狼」側が不利な盤面となる。
ケース1.4人の中に「占い師」がいない場合
配役が「人狼(占い師)」「人狼」「村人」「村人」のケースで考察する。
この場合、「人狼(占い師)」が占い師と信じてもらえる可能性が高い。
ただし、「人狼(占い師)」は他の1名の配役を当てる必要がある。
「人狼(占い師)」のリスクの少ない行動としては、相方の「人狼」を「村人」だと嘘をつくことだ。
相方の「人狼」が嘘に合わせてくれれば問題ないからだ。
ただし、残り2人が両方とも「村人」の場合、「村人」の配役が2枚に対して3人いることになり、矛盾が生じる。
基本的に、「占い師」「村人」「村人」「村人」という宣言がされた場合、次のケースが疑われる。
- 「占い師」および「占い師」が占った相手が、「人狼」であるケース
- 「占い師」は本物の「人間」で、「村人」の中に「人狼」がいるケース
- 「占い師」は「人狼」で、「占い師」の占った相手が偶然であるケース
可能性が高いのは最初の2つである。
最後の「占い師」が「人狼」で、占い先が「人間」であることは稀なケースと思われる。
この場合、「占い師」を吊るか、怪しい「村人」を吊るかの2択になるだろう。
「占い師」を吊る場合、「占い師」および「占い師」が占った相手の2人が「人狼」であるという推理が多いはずだ。
このケースは、「人間」側がまず最初に考えるべきことである。
逆に、「人狼(占い師)」の場合、「占い師」を吊ろうとする「村人」が「人狼」であるという方向で話を進めるのが基本戦略といえる。
つまり、「占い師」「村人(占った相手)」「村人」「人狼(占い師の吊ろうとする人)」という嘘の推理を展開することが有効だ。
次に、配役が「人狼(占い師)」「人狼」「怪盗」「村人」のケースで考察する。
「怪盗」が「村人」と配役を交換した場合、宣言の矛盾は生じないため、「人狼」側に有利な盤面となる。
矛盾がない状態で話を進めるなら、「人狼」側の2人が意見を合わせることで投票先を決定しやすいからだ。
「怪盗」が「人狼」と配役を交換した場合、「怪盗」は「人狼」と配役を交換したことを基本的に宣言しない。
正直に宣言したら、「人狼」となった自分が吊られるからだ。
その状況で「怪盗(人狼)」が吊られるのを回避したい場合、「人狼」2人と「怪盗」で結託して多数決で「人間」を吊るPP(パワープレイ)が1つの手法として考えられる。
「怪盗」が配役を交換した「人狼」のみ、「人間」側となるため負けることになるが、「人狼」側の勝ちパターンには持っていける。
ただし、基本的には「怪盗」は「人狼」と配役を交換した場合、次の行動が考えられる。
- 配役を交換した「人狼」以外の誰かに対して、「人間」側だったと嘘をつくケース
- 配役を交換した「人狼」に対して、「人間」側だったと嘘をつくケース
- 配役を交換しなかったと嘘をつくケース
可能性が高いのは最初の2つである。
最後の「配役を交換しない」行動は自分が怪盗である証明が難しいため、稀なケースと思われる。
ワンナイト人狼のCO(配役の宣言)としては、基本的に占い師のCOが一番早い。
そのため、「怪盗」は配役を交換した「人狼」以外の「占い師」に対して、配役を交換して「占い師」だったと嘘をつくのが基本戦略となる。
嘘の交換先の「占い師」が本物であれば、「人間」側として見てもらえるため、「怪盗(人狼)」が吊られる可能性は低い。
嘘の交換先の「占い師」が「人狼」であれば、その「人狼」には「怪盗(人狼)」が「人狼」と配役を交換したと疑われる。
しかし、「人狼」が自分から「人狼」であると宣言するケースはあまり無いため、基本的には話を合わせてくれる。
ただし、「人狼」が1人だけの場合は、「人狼」が自分から宣言する場合もあるため、過信は禁物だ。
どちらのケースでも、実際に配役を交換した「人狼」の発言の意図を追うことが重要だ。
なぜなら、元「人狼」が吊ろうとする人は高確率で「人間」だからだ。
逆に、擁護している人がいれば、相方である「人狼」の可能性がある。
そのため、「怪盗」は配役を交換した人の行動を見極めて、上手く合わせることが重要となる。
ケース2.4人の中に「占い師」がいる場合
配役が「人狼(占い師)」「人狼」「占い師」「村人」のケースで考察する。
この場合、「人狼(占い師)」としては、次の行動が考えられる。
- 占いで、相方の「人狼」が「村人」だと嘘をつくケース
- 占いで、対抗の「占い師」が「人狼」だと嘘をつくケース
- 占いで、「占い師」以外の「人間」の配役を「怪盗」または「村人」と宣言するケース
- 占いで、墓地の配役を確認したと嘘をつくケース
可能性が高いのは最初の2つである。
最後の2つのケースは、占い先の配役を間違えると「人狼」だとバレるため、稀なケースと思われる。
相方の「人狼」を「村人」だと嘘をつく場合は、相方含めて「人狼」と疑われる覚悟で、ガッツリ協力することが多いだろう。
対抗の「占い師」を「人狼」だと嘘をつく場合は、相方の「人狼」は「人間」側に配役を知られてない前提ではあるが、自由に動くことができる。
相方とガッツリ協力して進めたい場合は前者、相方とは別々の立場で議論したい場合は後者の戦略がお勧めだ。
次に、配役が「人狼(占い師)」「人狼」「占い師」「怪盗」のケースで考察する。
「怪盗」がいる場合も基本的な行動パターンは変わらない。
ただし、注意しなければいけないのは、自分の配役が「怪盗」と交換されていないか考察することだ。
もし配役を交換されて自分が「人間」側になっていた場合は、「人狼」を吊らなければならない。
「人狼」が、自分を「怪盗」と嘘をつく場合
「人狼」が「怪盗」とCO(配役の宣言)するのは、今回の前提条件ではあまりお勧めできない。
「人狼(怪盗)」が宣言する交換先の配役は、人間陣営に限定する必要があるからだ。
もしも、「人狼(怪盗)」の交換先の配役が「人狼」だと嘘をついた場合、結局は自分の「人狼」COとなるため、高確率で「人狼(怪盗)」が吊られることになる。
そのため、戦略がかなり制限されてしまう。
「占い師」であれば、占い先を「人狼」と嘘をついても問題ない。
そのため、「人狼」は「怪盗」よりも「占い師」でCOした方がメリットがある。
「人狼」が、自分を「村人」と嘘をつく場合
まず前提として、「人狼」側および「人間」側を問わず、「村人」は一番先にCO(配役の宣言)するのはお勧めしない。
なぜなら、その後の「占い師」と「怪盗」の発言の真偽がつかなくなるからだ。
最初に「村人」COする人は嫌われる恐れもあるだろう。
また、「人狼」が2人いる場合、2人とも「村人」とCO(配役の宣言)すると、パターンの絞られる盤面となる。
なぜなら、「占い師」が「人狼」を占っていた場合、反論としては「占い師」が「人狼」だというしかないからだ。
選択肢が狭まるため、初心者でもわかりやすい盤面にはなる。
しかし、議論で根拠のある説明はできないため、賭けの要素が強い展開になるだろう。
賭けよりも議論で戦いたいという「人狼」の方は、「占い師」をCOした方が楽しめるだろう。
その場合は、相方の「人狼」と「占い師」が被らないように注意した方が良い。
「人狼」が、自分を「人狼」と嘘をつく場合
「人狼」の人数に関係なく、自分を「人狼」とCO(配役の宣言)するのはお勧めしない。
その時点で「人間」側からすれば、「人狼」をCOした人を吊ろうとするのが当然だからだ。
例外があるとすれば、「怪盗」に配役を交換されたことを伝えたい場合か、「人狼」となった「怪盗」と協力してPP(パワープレイ)をすることぐらいだろう。
人狼が1人いる場合
確率的に、ゲーム開始時に一番多いのは人狼が1人だけいるパターンだ。
2人いる場合と同様に、パターン分けして解説する。
「人狼」が、自分を「占い師」と嘘をつく場合
ケース1.4人の中に「占い師」がいない場合
配役が「人狼(占い師)」「怪盗」「村人」「村人」のケースで考察する。
この場合、「人狼(占い師)」は占い先の配役がわからないため、勘で誰かを「村人」だと宣言するケースが多い。
「村人」は配役の枚数が多いため、勘でも当たる可能性が高いからだ。
もしも配役を間違えた場合は「人狼」だと疑われるが、配役を当てれば本物の「占い師」と信じてもらいやすくなる。
配役を間違えるリスクを下げたい場合は、墓地の配役を占ったと嘘をつくのも1つの手法だ。
墓地の配役の1つが「人狼」であることは知っているため、墓地に「人狼」と「村人」だったといえば、「村人」の誰かが「人狼」という方向で議論できる。
注意すべきは、このケースは「怪盗」がいるため、「人狼」と配役を交換されていないか考慮した上で議論する必要がある。
ケース2.4人の中に「占い師」がいる場合
配役が「人狼(占い師)」「占い師」「村人」「村人」のケースで考察する。
この場合、「人狼(占い師)」としては、次の行動が考えられる。
- 占いで、対抗の「占い師」が「人狼」だと嘘をつくケース
- 占いで、墓地の配役を確認したと嘘をつくケース
- 占いで、「占い師」以外の「人間」の配役を「怪盗」または「村人」と宣言するケース
- 占いで、対抗の「占い師」以外を「人狼」だと嘘をつくケース
考えられるのは最初の3つである。
最後のケースは、「人狼」だと宣言した人に「人狼」だとバレるため、「人狼」が2人いる場合でもお勧めできない手法となる。
リスクが少ないのは、最初の2つのケースだ。
対抗の「占い師」を「人狼」だと嘘をつく場合、「占い師」をCOした人のどちらかを吊る流れになるだろう。
どちらが本物の「占い師」と信じてもらえるかが重要となる。
墓地の配役を確認したと嘘をつく場合、墓地に「人狼」「村人」がいたと宣言するのがリスクの少ない戦略だ。
「村人」が2人いる場合は矛盾が生じるが、「怪盗」が「人狼」と配役を交換して「村人」と嘘をついている方向で議論することも可能だからだ。
リスクはあるが、「占い師」以外の「人間」の配役を宣言するのも1つの手法だ。
もし配役を当てることができれば、配役を当てた人からは本物の「占い師」と信じてもらいやすい。
「人狼」が、自分を「怪盗」と嘘をつく場合
「人狼」が「怪盗」とCO(配役の宣言)するのは、リスクが大きくお勧めはできない。
「占い師」が「人狼」を占っていた場合や、「怪盗」が他にいた場合は不利になるからだ。
誰と配役を交換したかも当てなければならない。
もしもCOの順番を考慮する場合は、「人狼」の「怪盗」COが良い場合もある。
例えば、「人狼(怪盗)」「占い師」「村人」「村人」のケースだ。
「占い師」が「村人」を占い、「人狼(怪盗)」が「占い師」と配役を交換したと嘘をつけば、矛盾なく議論することができる。
ただし、特定のケースに限られるため、初心者の方が「人狼」の場合は「怪盗」COは避けた方が良いだろう。
「人狼」が、自分を「村人」と嘘をつく場合
「人狼」が「村人」とCO(配役の宣言)するのは、無難な手法であり、初心者にはお勧めできる。
ただし、「占い師」が「人狼」を占った場合は反論が難しい。
その場合、「占い師」が人狼だと主張していくことになる。
それ以外であれば、基本的に自分は「村人」と考えて行動していれば、矛盾は生じにくい。
ただし、「怪盗」が「人狼」と配役を交換しているケースは考慮する必要がある。
人狼がいない場合
ほとんど無いケースだが、「人狼」がいないケースについても考察する。
このケースでの配役は、「占い師」「怪盗」「村人」「村人」しかありえない。
4人プレイの場合、「人狼」がいないと絶対的に証明する方法はない。
3人プレイの場合でも、「占い師」と「怪盗」がそれぞれ別々の配役を当てることができれば、「人狼」がいない可能性が高いが、絶対ではない。
4人プレイの場合、「人狼」が2人いるケースも考慮すると、お互いに「人狼」ではないとわかっているペアが「人狼」と勘違いされるケースも多い。
CO(配役の宣言)の順番や議論の内容を材料に、「人狼」がいないかどうかを考えていくしかない。
ある意味、ワンナイト人狼で一番面白いケースともいえる。
まとめ
以上が「占い師」「怪盗」「村人」「人狼」での、ワンナイト人狼の戦略考察となる。
今回の前提条件では、以下の2つは守るべきだ。
守らない場合は、不利な立場になるだろう。
- 「村人」「人狼」ともに最初に自分を「村人」と宣言してはいけない
- 「人狼」は自分を「人狼」と宣言してはいけない
戦略は様々なパターンが考えられるが、基本戦略としては以下が挙げられる。
- 「人狼」が2人の場合、「人狼」の1人だけが「占い師」をCO(配役の宣言)する
- 「人狼」が1人の場合、「人狼」は「占い師」または「村人」をCOする
上記を基本戦略とする理由は、「人狼」「人間」両方にとって盤面が整えやすい状況となるからだ。
それ以外のパターンは、これまでの解説から、汎用性の面で扱い辛いケースがある。
もちろん、この戦略が絶対ではない。
それぞれ好きなやり方でワンナイト人狼を楽しむのが一番だろう。
ただ、この記事があなたのワンナイト人狼の戦略の参考になれば幸いだ。
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