少人数で短時間で遊べる「ワンナイト人狼」。
嘘が嫌いな方は苦手とするゲームではあるが、論理的な思考を養うには良いゲームだ。
この記事では、ワンナイト人狼を5人〜7人でプレイする時の戦略について考察する。
この記事は、次の「ブラウザでワンナイト人狼」のルールをベースに解説する。
ワンナイト人狼の3人プレイ、4人プレイでの考察は以下の記事で解説しているため、そちらをご覧いただきたい。
また、狂人ありルールでの戦略については、以下の記事が参考になるだろう。
「ブラウザでワンナイト人狼」を5人〜7人でプレイする場合の基本ルールは以下のとおりだ。
- 人間陣営(「村人」・「占い師」・「怪盗」)と人狼陣営(「人狼」)に分かれる
- 配役は「村人」「占い師」「怪盗」「人狼」の4種類のみ
- カード構成はプレイヤー人数+2枚で、余分な2枚は墓地に置かれる
- 「占い師」と「怪盗」は1枚、「人狼」は2枚(7人プレイのみ3枚)、残りは「村人」の構成
- 「人狼」と思う人に投票し、投票数が最も多い人が「人狼」の場合は人間陣営の勝利となり、「人間」の場合は人狼陣営の勝利となる
8人プレイの場合は、新たに「狂人」という配役が追加され、立ち回りが大きく変わる。
そのため、この記事では「狂人」なしの5人〜7人プレイを想定して解説する。
まず、5人プレイ〜7人プレイの場合、3人プレイ・4人プレイよりもはるかにパターン分けが膨大となる。
冒頭で紹介した3人プレイ、4人プレイでの考察記事のように、各パターンについて分析した場合、膨大な文量になるため、この記事の考察では各パターンの考察は行わない。
この記事での戦略考察は、次の2つに絞って考察する。
チェックポイント
・各配役ごとの想定される行動および証言を考察する
・プレイヤー同士のつながり(ライン)を考察する
5人〜7人プレイの場合、各プレイヤーの証言の意図とラインを読むことが重要となる。
そのため、この2つを理解していれば、ある程度論理的に推理することが可能だ。
ただし、各プレイヤーの証言の意図を全て汲み取ることは不可能であり、必ず勝てる戦略はない。
そのため、大人数でプレイする際は、各プレイヤーの証言の意図とラインを推察し、最終的に過半数に納得させられる推理を発言できるようになれば、勝率は上がるだろう。
この記事では、まわりが納得する証言をするために、それぞれの配役がどのような立ち回りをする可能性があるかを考察していく。
各配役の役割・立ち回り
まず、「ブラウザでワンナイト人狼」の各配役の内容とできることを紹介する。
- 「占い師」
- 人間陣営の配役。
プレイヤーの誰か1人の役職、または誰にも割り当てられなかった墓地の2枚の役職を知る(占う)ことができる。
ゲーム内でのキーパーソンとなるため、「占い師」の証言がどれだけまわりの信頼を得られるかが重要となる。 - 「人狼」
- 人狼陣営の配役。
他の「人狼」を確認することができる。ただし、確認後に怪盗に配役を交換される場合がある。
「人狼」同士は、お互いに協力して人間陣営の誰かに投票が集まるように立ち回り、勝利を狙う。
基本的に、人間陣営の配役のいずれかに偽装する必要がある。
勝つために積極的に発言する必要性が高く、難しくもやりごたえのある配役。 - 「怪盗」
- 人間陣営の配役。
プレイヤーの誰か1人と配役を交換することができる(交換しないことも可能)。
「人狼」と配役を交換した場合は人狼陣営となり、交換された元「人狼」は人間陣営となる。
元「人狼」は交換されたことを知らないため、「人狼」として振る舞う。
交換した配役によって立ち回りが変わるため、臨機応変な対応が求められる配役。 - 「村人」
- 人間陣営の配役。
とくに能力もない、ただの人。
しかし、多数決で決まる「ワンナイト人狼」では、「村人」の票が勝敗を左右するため、重要なポジション。
各配役ごとの想定される行動・証言の考察
ここからは、各配役ごとの想定される行動・証言について考察する。
また、その配役で想定しにくい行動についても考えることで、全員の配役への推理がしやすくなる。
「占い師」の場合
まず、「占い師」で想定される行動について、次の3つが挙げられる。
- 議論開始直後に「占い師」をCO(カミングアウト:配役を宣言)する
- 「ワンナイト人狼」のゲーム進行上、基本的に「占い師」がCOしなければ、議論が進みにくい。
そのため、「占い師」は議論開始時にCOするのが定石とされる。
定石から外れることが必ずしも悪いとはいわない。
しかし、定石通りに行動することで、まわりから「占い師」らしく見られやすい。 - 占い結果で、先に誰が「人狼」かを当てる
- 「ワンナイト人狼」では、「占い師」の対抗として、「人狼」が「占い師」であると偽のCOをすることが多い。
しかし、「人狼」は相方の「人狼」以外の配役を知らないため、占い結果で「人狼」がわかったと証言するのはリスクがある。
もしも「人狼」を宣言する場合は、対抗の「占い師」を「人狼」であると証言するのが普通だ。
しかし、その行動は「占い師」の後出しで動く場合が多く、先に「人狼」が誰かを言い当てることで、まわりから「占い師」らしく見られやすい。 - 「人間陣営の誰か」の配役を当てる
- 占い結果で、「人間陣営の誰か」の配役を知った場合、そのプレイヤーがCOする前に配役を当てることが非常に重要だ。
配役を当てられたプレイヤーは、配役を当てた「占い師」を信頼してくれる可能性が高いからだ。
しかし、その2人が「人狼」とみなされる可能性もある。
それでも、勝敗は多数決で決まるため、自分の支持者を1人でも増やすことは「占い師」として有利な行動となる。
逆に、「占い師」で想定しにくい行動について、次の3つが挙げられる。
- 「占い師」をCO(カミングアウト:配役を宣言)しない
- 人間陣営の「占い師」がCOしないことは、人間陣営にはメリットが何もない。
誰もCOしないことで、墓場にある2枚に「占い師」があり、プレイヤーに「占い師」はいないことがほぼ確定と思われるだろう。 - 「人狼」が「占い師」をCOした後、後出しで「占い師」をCOする
- 「人狼」が「占い師」をCOして、占い結果を確認した後で、「占い師」をCOするのも一つの手ではある。
しかし、後出しでのCOは「占い師」らしくなく、「占い師」として信頼されにくいため、不利な行動となる。
ただし、「占い師」がいないときに「人狼(占い師CO)」が占うのは、相方の「人狼」である可能性が高い。
「占い師」にとっては人狼2人を特定しやすいため、その後の進行次第では一転有利にもなるハイリスク・ハイリターンの手だ。 - 意味のない嘘をつく
- 「占い師」が他のプレイヤーの配役確認のために嘘をつくのも、一つの手としては考えられる。
しかし、その後に他のプレイヤーから信頼を勝ち取れる場合に限る。
とくに意味もなく嘘をついた場合、嘘がバレたときに他のプレイヤーからの信頼は落ちるため、「占い師」とは見られにくい行動だ。
「人狼」の場合
次に、「人狼」で想定される行動について、次の3つが挙げられる。
- 「人狼」をCO(カミングアウト:配役を宣言)しない
- 「人狼」が正直に「人狼」であることをCOした場合、高確率で投票されて負ける。
なぜなら、人間陣営であれば、自分を「人狼」だと嘘をつくメリットがないからだ。
そのため、「人狼」が勝利するためには、「人狼」をCOしないことが定石だ。 - 「占い師」と嘘のCOをする
- 「人狼」がよく行う行動として、自分を「占い師」とCOすることが挙げられる。
本物と偽物の2人の「占い師」が対立する構図は、ワンナイト人狼における定石だ。
この場合、どちらかは「人狼」とみなされるため、「人狼」はまわりからの信頼を得られる立ち回りをする必要がある。 - 他の「人狼」への投票に反対意見を述べる
- 自分以外の「人狼」に票が集まりそうな場合、投票先を変えるために反対意見を述べる必要がある。
しかし、相手を庇いすぎる行動は「人狼」が2人いると疑われるため、いかに人間陣営らしく主張して投票先を変えるかが重要となる。
逆に、「人狼」で想定しにくい行動について、次の3つが挙げられる。
- 「人狼」をCO(カミングアウト:配役を宣言)する
- 「人狼」が正直に「人狼」をCOすると、高確率で投票される。
なぜなら、人間陣営が「人狼」と嘘のCOをするメリットはないからだ。
唯一、「怪盗」に配役を交換されたと確信した場合は有効ではあるが、交換を他のプレイヤーに信じてもらうことは難しく、デメリットの多い行動となる。 - 「占い師」が2人いる中で、「怪盗」と嘘のCOをする
- 「人狼」は基本的に嘘をつくリスクを最低限にしたいと考える。
そして、「占い師」が2人いる盤面の場合、どちらか片方は「人狼」となる。
相方の「人狼(占い師CO)」がどのような行動をするかわからない中で、「怪盗」をCOして交換先を宣言するのはリスクが高く、「人狼」として想定しにくい行動だ。 - 最後に投票先を決める
- 「ワンナイト人狼」は多数決の投票で勝敗が決まる。
そのため、「人狼」は票が人間陣営に入るように誘導する傾向が高い。
よくある手法は、「人狼」が先に票を入れたと宣言することで、票を集めさせようとする一種の同調圧力だ。
逆にいえば、まわりの状況を見てから最後に投票先を決めるのは、「人狼」とは見られにくい行動だ。
「怪盗」の場合
「怪盗」で想定される行動について、次の3つが挙げられる。
- 「怪盗」をCO(カミングアウト:配役を宣言)する
- 「怪盗」のCOは、まわりから「怪盗」らしく見られやすい。
なぜなら、「怪盗」をCOしてメリットがあるのは、「怪盗」と「人狼」のみだからだ。
そして、「人狼」の「怪盗」COはリスクが大きいため、「怪盗」COは信頼されやすい。
しかし、「怪盗」の交換した配役については、嘘をついていると疑われるため、交換した配役の証言は注意が必要だ。 - 「人間陣営」の配役を交換したと証言する
- 「怪盗」が交換した配役を証言する場合、基本的に「人間陣営」の配役を証言する。
なぜなら、「人狼」と配役を交換したと証言すれば、「怪盗」に投票が集まるからだ。 - 「占い師」COの後に、「怪盗」をCOする
- 「怪盗」が先にCOすることは必ずしも悪い手ではない。
しかし、「怪盗」は立ち回りが複雑で臨機応変な対応を求められることから、まわりの様子を見た後で証言の内容を考える人が多い傾向にある。
そのため、「怪盗」のCOは「占い師」COの後になる可能性が高い。
逆に、「怪盗」で想定しにくい行動について、次の2つが挙げられる。
- 「怪盗」をCO(カミングアウト:配役を宣言)しない
- 「怪盗」が正直にCOしない場合、「村人」が最大3人に対して4人存在するなどの矛盾が生じやすい。
「怪盗」が必ずしも不利になるわけではないが、「怪盗」自身が投票されやすくなり、まわりから「怪盗」らしく見られにくい行動だ。 - 「人狼」の配役を交換したと証言する
- 「怪盗」が「人狼」と配役を交換したと証言した場合、基本的に「怪盗」に投票が集まる。
そのため、「怪盗」の行動としては、「人狼」と配役を交換しても「人間陣営」と配役を交換したと嘘をつくのが定石だ。
「村人」の場合
最後に、「村人」で想定される行動は、次の1つだけだ。
- 「村人」をCO(カミングアウト:配役を宣言)する
- 「村人」は嘘をつかないことが重要だ。
「村人」が嘘をついた時点で矛盾が生じやすくなり、人間陣営が不利な状況になりやすい。
そのため、「村人」は正直にCOする必要がある。
ただし、「村人」COは一番最後にCOすることが重要だ。
なぜなら、本物の「占い師」や「怪盗」が配役を当てる前にCOしてしまうと、本物である信頼性が薄れてしまうからだ。
初心者は最初に「村人」COする人もいるため、注意しよう。
逆に、「村人」COをしない場合、その人が「村人」である可能性は低いだろう。
以上、各配役で想定される行動と、想定しにくい行動をまとめてみた。
各配役の主に想定される行動をまとめると、次のようになる。
チェックポイント
・「占い師」をCO(配役を宣言)するのは、「占い師」または「人狼」
・「占い師」が後出しでCOする可能性は低い
・「人狼」は嘘のCOをする
・「人狼」は、「人狼」への投票に反対意見を述べる
・「怪盗」をCOするのは、「怪盗」の可能性が高い
・「怪盗」は、「人間陣営」と配役を交換したと証言する
・「村人」は嘘をつかない
「ワンナイト人狼」に慣れた方には、当たり前の行動だと思う方がいるだろう。
しかし、次に説明するプレイヤー同士のつながり(ライン)を考察するために、これらの前提条件を押さえておくことは重要だ。
プレイヤー同士のつながり(ライン)の考察
「ワンナイト人狼」を多人数でプレイする場合、誰が誰の意見に同調しているか、プレイヤー同士のラインを知ることが重要だ。
ラインとは、どのプレイヤーが誰を「人間陣営」だと予想しているかを示す。
たとえば、「占い師」が「人間陣営」を占った場合、「占い師」から占い先のプレイヤーへのラインができる。
そして、占われたプレイヤーも「占い師」の証言が正しいことがわかるため、お互いにラインができやすい。
お互いにラインができやすい組み合わせは、次の3パターンが挙げられる。
- 「占い師」と、「占い師」の占い先の「人間陣営」
- 「人狼」同士
- 「怪盗」と、「怪盗」の交換先の配役
逆に、お互いにラインができにくい組み合わせは、次の3パターンが挙げられる。
- 2人以上「占い師」をCOした人同士
- 2人以上「怪盗」をCOした人同士
- 「占い師」と、「占い師」の占い先の「人狼」
つまり、次の場合はどちらかに「人狼」がいることは確定といえるだろう。
チェックポイント
・「占い師」または「怪盗」を2人以上がCO(配役を宣言)した場合
・「占い師」の占い先が「人狼」である場合
そして、ラインができやすい組み合わせを考慮すると、「占い師」とその占い先の「人間陣営」、および「人狼」同士は意見を合わせる傾向にある。
残りの「怪盗」または「村人」は、そのラインを考慮しつつ、議論をしていくのが定石となる。
ラインのできやすい組み合わせの関係から、最初に「人間陣営」と「人狼」でお互いにラインができる可能性は低い。
また、ラインができにくい(対立した)プレイヤー同士が両方とも「人狼」のケースは基本的にありえない。
対立している人のどちらかに票を集めるのが、「ワンナイト人狼」の定石となる。
5人〜7人の多人数プレイをする場合、これらの流れを踏まえて、誰とラインを作るのかを考えてプレイすることが重要だ。
まとめ
以上が、ワンナイト人狼の5人〜7人プレイでの戦略考察となる。
細かい内容は上記で説明したとおりだが、その中でも重要性の高いものは次の3つと考える。
チェックポイント
・「占い師」をCO(配役を宣言)するのは、「占い師」または「人狼」
・最初に「人間陣営」と「人狼」でお互いにラインができる可能性は低い
・対立したプレイヤー同士が両方とも「人狼」のケースはない
この3つのポイントを押さえておくだけで、議論中の推理がしやすくなるだろう。
今回は「ブラウザでワンナイト人狼」の基本ルールに沿って解説しているが、5人〜7人プレイで「狂人」の配役を入れるなどのアレンジを加えても面白い。
また、大人数であれば、ブラウザでの人狼ゲームだけではなく、次のようなカードゲームの形でワンナイト人狼をするのも、対面でのプレイでのみ味わえる楽しみがあるだろう。
アニメのゆるキャン△が好きな方は、ゆるキャン△バージョンもある。
アニメ好き同士でキャンプをするときはこちらの方が楽しめるかもしれない。
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